詩と日々と。

詩と日々を更新していきます。

夕闇と夕菅。

 

そこでぼくはぽつねんと座っている

 

漠々とした野原が広がっている

 

 

ゆうすげが辺りに咲いている

 

夕焼けが橙に染めている

 

いまここはどこだろう。

 

 

遠くからぼくを呼ぶ声がする

 

風にのって低い声で

 

どこか聞き覚えのある声だ

 

ぼくはいったいなんだろう。

 

 

 

頭上には一羽の鳥がいる

 

見るにあれは夜鷹だろう

 

夜鷹はますます上昇し

 

星になって消えていく

 

 

 

ここはどこで

 

なんだろう

 

問いに答える人はなし

 

ただこの僕をひとり除けば

 

 

 

 

そこでぼくはぽつねんと座っている

 

漠々とした野原が広がっている

 

ぼくはぼくの問いを返すために

 

もうここにはいられない

 

 

ここはまだ来るところではなかったのだ

 

こんなところにいてはいけない

 

 

 

言葉の見せる夕闇に

 

問はあれど返事はない

 

 

夜にむかって歩いて行こう

 

朝焼けを見に歩いて行こう

 

 

 

 

九月

 

 

鳥のように自由になれ

 

と、そのひとは言った

 

その一日がまるでエッシャーの絵のように

 

時間を掴んで離さない

 

 

一つの怠惰は二つの悪癖を生む

 

と、そのひとは言った

 

その一日がまるで区画整理された道路のように

 

寒々しさと不安を運ぶ

 

 

 

やがてぼくらはひとつの魂

 

透けてたゆたい

 

まだらになる

 

 

魂のない言葉よりも

 

決然とした行動がすべてを救うときがある

 

 

その時にぼくは

 

夕方時の袋小路で

 

けんけんぱでもしているのだろう